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今さらですが、「ASMとは?」をあらためて。

ASM、の前に、まずStorage GridというOracle社が考える理想的なストレージ構成についてですが、Storage Gridとは安価な単機能ストレージを並べてストレージI/O性能・容量をスケールアウトさせる、そして可用性を確保するというストレージ構成のことです。

高性能が必要になったとき、サーバ側はクラスタ、レプリケーションといった形で並べてスケールアウトさせることがコモディティ化してきています。これは、ハイエンドマシンを擁して単一サーバでスケールアップを図るより、ローエンドマシンを並べた方が同性能を圧倒的に安価に引き出せる、というのがそのコンセプトの根底にあります。

それではストレージはどうか?というとサーバ程「並べる」という考え方は浸透していないと思います。特にエンタープライズ環境ではその傾向が顕著でしょう。企業は高価な専用ストレージ装置にかなり出費しています。だったら、ストレージもサーバと同じように並べる構成にすればいいんじゃないの?というのがStorage Gridの発想です。ごく自然な着想ですよね。

*ちなみこの辺に関連記事があります。

サーバ仮想化環境でのお薦めストレージ構成 at nkjmkzk.net

OracleではこのStorage Gridを体現する実装としてASM(Automatic Storage Management)という製品を提供しています。これはサーバ側にインストールするソフトウェアで、下記のことが可能になります。

  • 複数ストレージを連結して一つの大きなボリュームを構築する
  • 複数ストレージ間でデータを冗長化し、ストレージ装置の障害時にも完全なデータアクセスを可能にする
  • 需要に応じてオンラインでストレージを追加/削除できる
  • 追加・削除を行った際、ドライブ上のデータは新しい構成に応じて自動的に再配置される
  • 複数クライアントからのアクセスを同時に処理できる(つまり共有ボリュームとして利用できる)
  • ASMが提供するボリュームはデータベースの他、ファイルシステムでフォーマットしたりと汎用的に利用できる

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従来ASMはOracle Databaseの一部であり、Database専用のボリュームマネージャでした。しかし現在ASMはDatabaseではなく「Grid Infrastructure」というパッケージに含まれるソフトウェアとなっており、Databaseとは独立してインストールして使用可能です。当然引き続きDatabaseのボリュームとしても使用可能ですが、Database以外の汎用的な用途に利用可能となっています。下図のようなイメージです。(ASMはサーバにインストールして使うソフトウェアです)

ASMとACFS

そして気になるライセンス費用ですが、驚くことにGrid Infrastructureはそれ自体にライセンス費用はかかりません。ざっくり言うと、利用自体は基本的にフリーで(一部スナップショット機能等に制限あり)、サポートが必要な場合はUBL(Unbreakable Linux)契約またはDBのサポート契約を締結していただくということになっています。下記はマニュアルからの抜粋です。

Oracle Grid Infrastructureの以下のコンポーネントは、スタンドアロンのサーバーでもクラスタ構成でも無償で使用することができます。

  • Oracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)
  • ASM動的ボリューム
  • ASMクラスタ・ファイルシステム(ACFS)(ACFSスナップショットとその他の付加機能を除く)
  • クラスタ構成において、ASM/ADVM/ACFSのサポートのためのみに使用されるOracle Clusterware
  • スタンドアロンのサーバーで、Oracle DatabaseとOracle ASMのためだけに使用されるOracle Restart

それに加えて、Oracle Clusterwareは、次のいずれかの条件を満たす場合において、アプリケーションを保護する(障害発生時のアプリケーションの再起動またはフェイルオーバー)用途で、無償で使用することができます。

  1. サーバーOSが、有効なOracle Unbreakable Linuxサポート契約でサポートされていること。
  2. 保護対象の製品が次のいずれかであること。
    • オラクル社によって提供された製品(例: Oracle Applications、Siebel、Hyperion、Oracle Database EE、Oracle Database XE)
    • 直接または間接的にOracle Databaseにデータを格納するサード・パーティ製品
  3. クラスタを構成する少なくとも1台のマシンに対して、Oracle Database Enterprise EditionまたはOracle Database Standard Editionのライセンスが購入されていること。

クラスタは、同じOracle Cluster Registry(OCR)および投票ディスクを共有するすべてのマシンが含まれるものと定義されています。

リファレンス:http://download.oracle.com/docs/cd/E16338_01/license.112/b56284/editions.htm

*ちなみに余談ですがOracle Unbreakable Linuxサポートを契約すると他にもEnterprise ManagerのLinux Management Packが利用可能になります。これはOSの監視、インベントリ管理、パッチ適用/アップデート等が一元的に行えるツールです。

ASMを採用したStorage Grid構成と、これまでのスケールアップ型のストレージ構成を性能・可用性・コストの観点で一度比較検討してみてはどうでしょうか。ただしこのようなストレージの組み方は多くのエンジニアにとってこれまでとはことなるやり方、で、気にはなるけどちょっと不安、という人も多いでしょう。そういうときは日本オラクルにご相談ください。出来る限り善処致します。

with one comment

Written by 中嶋 一樹

4月 7th, 2010 at 8:47 pm

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One Response to '今さらですが、「ASMとは?」をあらためて。'

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  1. オラクルのサイトを見ると、BasicまたはPremierレベルのOracle Unbreakable Linuxが必要なように読めるのですが。

    toshi

    14 4月 10 at 2:47 AM

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